かつて全国有数の繊維問屋街として栄えた岐阜市問屋町。 今は空き店舗が目立つ街となりましたが、地元のまちづくり団体が２５日、にぎわいを取り戻そうとこだわりのカフェをオープンさせました。 カフェをオープンさせたのは、地元企業の社長林伸將さんが代表を務める「TonyaEXPO実行委員会」です。 以前は衣料品店だった空き店舗を活用し、群れで暮らし、子育てをするマウンテンゴリラの学名にちなんで「ベリンゲイカフェ」と名付けました。 メニューは子育て世代の母親でつくる市内のＮＰＯ法人こどもトリニティネットがプロデュースし、モーニングセットや県内産の野菜や米を使ったランチ、総菜などを提供しています。 繊維問屋街は戦後、焼け野原となった岐阜駅前に中国から引き揚げてきた人たちがバラック小屋を建てて、軍服や古着などを売ったのが始まりです。 経済成長とともに国内の既製服の一大問屋街として成長し、最盛期はおよそ２千店が軒を連ねました。 現在は、その１０分の１ほどまで減り、空き店舗が目立つシャッター街となっています。
祖父が問屋町で紳士服店を営んでいたという林さん。毎年の「せんい祭」でも手伝いをするなど、幼いころから問屋町に親しんできました。 街の衰退を見過ごせないと実行委員会を立ち上げ、３年ほど前からファッションショーや音楽ライブなどのイベントを開いてきましたが、繊維関係以外の店舗活用の一例となり、新たな店舗が増えるきっかけになればとカフェを開店しました。 ※ベリンゲイカフェをオープンさせたTonyaEXPO実行委員会 代表 林伸將さん 「（人が）昔と比べると大分少ないが、今、問屋町にいる人が変えていくことが責任だと思ってまちづくりを真剣に考えて行動しています」 オープン初日の２５日は、朝から親子連れや学生らが来店し、癒やしのひとときを過ごしていました。 ※来店した客 「友達に知ってもらえるように連れて来て一緒に食べたいと思った」 「このコーヒーはコクがあっておいしいのでまた来たいと思った」 「岐阜駅前で気軽に子どもと一緒に来られるカフェがあまりなかったのでとてもうれしい」
こどもトリニティネットのメンバーも育児の傍ら店に立ち、安心安全な食材にこだわった料理を提供します。 ※ＮＰＯ法人こどもトリニティネット理事長 桐部遥奈さん 「子育て世代のママが働く。単に飲食の提供だけでなく、いろんな人たちとの交流やママたちとの触れ合いができるお店にできれば」 問屋町という町を知ってもらいたい。林さんたちの思いが、新たな出会いと交流を生み、街のにぎわいにつながることが期待されます。
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August 25, 2020 at 07:22PM
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