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広がる「自粛警察」 「営業」「密集」と通報、コロナ禍で同調圧力 - 中日新聞

大須商店街に寄せられた抗議のメール

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 新型コロナウイルスの感染が拡大する中、行政の休業要請の対象外の店に「なぜ営業するのか」と抗議する人たちがいる。外出を楽しんでいる人を見かけると、警察に通報する人も。他人の行動を監視する行為とも受け取られ、インターネット上では「自粛警察」と呼ばれている。自由をうたう日本国憲法の施行から三日で七十三年。過剰とも映る同調圧力に苦しむ人がいる。

 名古屋市中区の大須商店街では二日、約四百二十店の四割ほどがシャッターを閉めていた。営業していたのは休業要請の対象外の衣料品店や雑貨店、要請に応じて営業時間を短縮している飲食店など。商店街連盟の堀田聖司会長(61)は「異様な空気になっている」と打ち明ける。

 「コロナを大須から発信するつもりか」「二度と大須商店街へ買い物には行かない」「恐怖」−。

 連盟事務所には連日、メールや電話で苦情が寄せられる。ほとんどは匿名の人からだ。もちろん、営業する店は消毒液を置くなど、感染防止には細心の注意を払っているという。

 「自粛できるならしたい。ただ、営業している店はどこも、苦しみながら店を開けている」と堀田さんは語る。

 衣料品店などは休業しても、行政からの「協力金」は受け取れない。在庫を抱えこむだけでは、家賃の支払いさえままならなくなる。堀田さんは言う。

 「自粛疲れで皆が疑心暗鬼になっているのではないでしょうか。人が変わったようで、怖い」

 愛知県警には「外出自粛なのに出歩いている人が多い」「子どもたちが公園でバスケをしている」といった一一〇番が相次ぐ。

 四月最後の週末となった二十五、二十六日には「バーベキューをやっているので注意して」「密集して潮干狩りをやっている」などの通報があった。

 一一〇番を受けて現地にパトカーが出動し、集まっている人たちに外出自粛への協力を呼び掛ける場合もあるが、県警担当者は「取り締まりの対象ではない。あくまでも自粛をお願いしている」。休業要請の対象の店が営業しているとの通報もあるという。

 名古屋市によると、保育園の園児や保育士の感染が相次いだ四月上旬には「なぜ保育園は開いているんだ」といった抗議が、担当部署に寄せられた。

 (鈴木凜平、垣見洋樹、水越直哉)

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May 03, 2020 at 03:01AM
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