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新型コロナ:英、再び都市封鎖へ イングランドで約1カ月 - 日本経済新聞

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記者会見するジョンソン英首相(10月31日、ロンドン)=AP

記者会見するジョンソン英首相(10月31日、ロンドン)=AP

【ロンドン=篠崎健太】英国のジョンソン首相は10月31日夜(日本時間11月1日未明)に記者会見し、新型コロナウイルスの感染者急増を受け、首都ロンドンのあるイングランドで再びロックダウン(都市封鎖)を実施すると発表した。11月5日から12月2日まで約1カ月間、飲食店や娯楽施設などの営業は原則禁じられ、できる限りの在宅が義務づけられる。

ジョンソン氏は「急増を抑えるために今、行動しなければならない」と強調した。医療崩壊を防ぐために「他に選択肢はない」と述べ、英国民に協力を呼びかけた。

新たな規制ではスーパーマーケットなど生活必需品を扱う店舗を除き、商業施設は閉鎖される。レストランやパブなどの飲食店は持ち帰りや宅配を除き営業を認めない。市民は在宅勤務が難しい場合の出勤や登校、生活必需品の買い物、運動などを除き自宅にとどまるよう求められる。

一方で3月下旬から実施した前回のロックダウンとは異なり、学校や大学などの教育機関は閉めない。英政府は規制案を11月2日に議会に示し、同4日にその承認を得てから実施する。実施期間は12月2日までで、その後は地域ごとに解除の是非を判断する。

再びの大規模制限を余儀なくされたのは、英国でも新型コロナの感染状況の悪化に歯止めがかからないからだ。10月31日には2万1915人の新規感染者が新たに発表され、累計で100万人の大台に乗せた。

入院患者数は足元で約1万1千人と4月のピーク時の約6割に膨らみ、医療体制の逼迫が懸念されている。政府に助言するウィッティー首席医務官は記者会見で「行動しなければ医療制度が困難な状況に陥る可能性が極めて高い」と語った。

イングランドは人口と国内総生産(GDP)でそれぞれ英全体の85%前後を占め、全域での外出規制で経済活動へのさらなる打撃は必至だ。ジョンソン氏は10月末で終了予定だった、新型コロナによる休業者向けの所得支援策を12月まで延長する方針を表明した。

英政府は10月12日、地域ごとにコロナ警戒度を「中程度」「高い」「とても高い」の3段階に分ける新規制をイングランドで導入したばかり。全土一斉の制限を避ける狙いだったが、感染急増で見直さざるを得なくなった。ロンドンは同17日に「高い」に引き上げられ、家族以外との屋内での交流が禁じられた。商業施設をほぼ全て閉じる今回の措置は、従来の最上位より厳しい内容だ。

英国は3月下旬から全土で大規模な行動制限を導入し、イングランドでは多くの小売店が6月半ば、飲食店が7月上旬までそれぞれ閉鎖する事態になった。

欧州ではフランスが10月30日から外出を原則禁じる行動規制を全土で再導入した。ドイツも11月2日から飲食店などの営業を禁じる。主要国で厳しい規制が広がり、欧州経済は10~12月期に再び失速するのが避けられない見通しだ。

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