NY円、続伸 1ドル=106円10～20銭、一時4カ月ぶり高値 米中対立の激化で円買い - 日本経済新聞

【NQNニューヨーク=戸部実華】24日のニューヨーク外国為替市場で円相場は大幅に続伸し、前日比70銭円高・ドル安の1ドル=106円10～20銭で取引を終えた。一時は105円68銭と3月中旬以来、約4カ月ぶりの円高・ドル安水準を付けた。米中対立の激化を受け、低リスク通貨とされる円への買いが強まった。

中国外務省は24日、四川省の米国の総領事館を閉鎖するよう通知したと発表した。米国がテキサス州にある中国の総領事館閉鎖を求めたことに対抗した。23日にはポンペオ米国務長官が演説で「共産主義の中国を変える」と強調し、米中関係が冷え込むとの懸念が広がった。米株相場が続落し、リスク回避時に買われやすい円の買いを後押しした。

市場では「節目の106円を突破し、円買いが勢いづいた」（邦銀為替ディーラー）との声が聞かれた。東京市場が連休中で市場参加者が限られるなか、値動きが大きくなった面もあった。

ドルは対ユーロや英ポンドでも下げ、ドルの総合的な強さを示す米インターコンチネンタル取引所（ICE）算出のドル指数は94台前半と、2018年9月以来の低水準を付けた。市場では「コロナ危機ではリスク回避のドル買いが目立っていたが、最近は米国よりもユーロ圏の景気回復が進むとの観測からユーロの先高観が強まり、ドル売りの流れにシフトしている」（スコシア・キャピタルのショーン・オズボーン氏）との指摘が聞かれた。

円の安値は106円29銭だった。

円は対ユーロで続伸し、前日比20銭円高・ユーロ安の1ユーロ=123円65～75銭で取引を終えた。対ユーロでもリスク回避の円買いが優勢だった。

ユーロは対ドルで6日続伸し、前日比0.0060ドルユーロ高・ドル安の1ユーロ=1.1650～60ドルで取引を終えた。一時は1.1658ドルと、18年9月下旬以来約1年10カ月ぶりのユーロ高・ドル安水準を付けた。

IHSマークイットが24日に発表した7月のユーロ圏の購買担当者景気指数（PMI）速報値は製造業とサービス業をあわせた総合指数が、2年1カ月ぶりの高水準となった。欧州連合（EU）首脳が今週合意した復興基金の創設も欧州景気を支えるとの観測から、ユーロ買い・ドル売りが続いた。

ユーロの安値は1.1598ドルだった。

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July 25, 2020 at 04:44AM
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