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ドル・円下落、米FOMC控え調整の動きが続く―107円台半ば - ブルームバーグ

東京外国為替市場のドル・円相場は下落。先週までの株高に伴うリスクオンの調整が続いた。市場では、米連邦公開市場委員会(FOMC)でのイールドカーブコントロール(YCC)政策を巡る議論に注目が集まっており、ドルは主要16通貨に対して全面安となった。

ハイライト
  • ドル・円は午後3時11分現在、前日比0.3%安の107円46銭。ここまでの取引では107円87銭を高値に一時1日以来の107円39銭まで下落
  • ブルームバーグ・ドル指数は0.4%安の1199.25
ドル・円、月初からの上げを解消

市場関係者の見方

NBCフィナンシャルマーケッツ・アジアのディレクター、デービッド・ルー氏(香港在勤)

  • 海外時間のFOMC結果発表を控え、緩和的なスタンスへの期待からドルが全般的に弱含む一方、アジア時間ではまだ先週までのリスクオンの調整地合いも残っている
  • ドル・円は朝方に五・十日の仲値ということで期待先行で若干強含んだが、むしろ余剰気味で失速
  • ポジション調整とハト派スタンス期待が混在する中でドル・円の上値は重い。きのうの安値107円62銭や日足一目の雲の上限(107円28銭)といったあたりが下値のめどに

オーストラリア・ニュージーランド銀行外国為替・コモディティ営業部の町田広之ディレクター

  • FOMCに向けてYCCが焦点となってきたことで米金利の低下を招き、その分、ドル・円も下げている。ただ、FOMCではYCCの導入にまだ距離感があることが確認されるとみられ、イベント後はドル金利上昇、ドル・円も108円台の回復も
  • 一方、リスクオン/オフという観点では、すでにリスクオンがかなり進んでしまっている。これに伴うクロス円の上値余地は厳しく、買いはためらわれるところ
  • いろいろなアセットで米雇用統計前の水準を割り込む調整になっているが、株はまだ維持している。これが崩れるとより大きい調整になることに留意

三井住友銀行NYトレーディンググループの下村剛グループ長

  • FOMCは引き締めは時期尚早という中で、ロンガーラン(政策金利の見通し)の引き下げや、YCCに関する議論に注目
  • 後者については期間や方法などの議論について、パウエル議長の会見でそのヒントを探ることになる。いずれにしても緩和方向の議論がなされることになりそう
  • FOMCを経てリスク選好の相場が続くのであれば、ドル・円は107ー109円といったレンジ相場が続きそう

背景

  • 米金融政策の発表予定時刻は日本時間11日午前3時。その後、同3時半からパウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長が会見
    • FOMC会合では、新型コロナウイルス感染拡大が引き金となったリセッション(景気後退)からの回復を支援するため、今年と来年は政策金利をゼロ近辺に据え置くことを検討の公算
    • YCCを含め、金融政策の意図を明確化することも議論される可能性。エコノミストは米金融当局がYCCを採用すると予想する一方、発表は9月まで待つと見込む
    • 市場の円滑な機能を確保するために必要な額の米国債と住宅ローン担保証券(MBS)の購入に関し、アナリストは2008-14年の量的緩和(QE)に沿って、当局がある時点でプログラムの主眼を経済活動促進にはっきりと切り替える可能性があり、それが今回の会合となると想定

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June 10, 2020 at 10:33AM
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